
時刻0時を過ぎて起床です。
前回の記事(登山始めて4ヶ月の初心者が富士山に登った時の記録 その2(登山開始))
・・・と言っても前回書いた通り、臭いやら音やらでほとんど眠れなかったんですけどね!
寝始めたのは18時頃からでしたが、実際眠れた(意識飛んだ)のは2~3時間程度かなぁ・・・後は半分起きてた感じ。
あまり眠れてはいませんでしたが、環境のせいか気分が昂ぶっているのか「寝足りない」という感覚は無かったです。
起きてすぐに前日受け取ったお弁当を食べ、支度開始。
7合目に泊まってご来光登山を目指そうとする人はほとんどいないのか、起きてくる人はほとんどいなかったですね。子ども連れの家族が1組だけ起きてきたかな。
後は今登って来たばかりと思われるグループが支度を調えていました。
それにしても・・・
時間(0時)の割にはそんなに寒く無かったのが驚きでした。(たまたまかな?)
温度計が無かったのではっきりとした気温は分かりませんでしたが、体感20度位。
この時は長袖1枚と、風よけにモンベルのレインダンサーを羽織っただけの状態です。登りで体を動かす事を考えると正直半袖でもいけそう・・・と思える様な気温。
ダウンパーカーは持ってきたけど、本当に使うのかこれ?という気分です。
7合目~8合目
トモエ館を出てすぐに岩場からのスタートです。
とにかく暗い、ヘッドライト無いと本当に何も見えない。
曇ってるせいか方角のせいか、月明かりも無い。
ただ、上や下を見ると所々にヘッドライトや山小屋の明かりが見えます。耳を澄ますと人の話し声らしきものも聞こえるので、怖さはありません。
黙々と登り続け、山小屋を数カ所通り過ぎたあたりでふと気付く。
「寒っ!!!」
多分3,000m過ぎたあたりだと思うのですが、気温が一気に下がり風も強くなってきていました。さすがに長袖1枚とウインドブレーカーでは耐えられなくなってきたので、下にダウンを着込みます。(正直この時、ズボンの雨具も追加すれば良かったと後悔)
薄っぺらい感じのウルトラライトダウンでしたが、驚く程あったかい!安心と信頼のユニクロですわ。
もちろん自宅で試し着もしてみましたが、元々暑いとよく分かりませんしね。
と、ふと気付く。
「あれ・・・手袋片方どこいった・・・」
そうなんです。
スマホ操作するために外したり着けたりを繰り返しつつ尻ポケットに突っ込んでいたのですが、気付いたら片っぽどこかに落としてしまっていました。辺りは真っ暗。いつ落としたのかも不明。下からはどんどん人が登ってくるし、狭い岩場なんかを下りつつ捜索するのは難しい・・・という事で捜索は断念。
「富士山がゴミで汚れてる?登山に来といてゴミ捨てるとか最低だな!!」
とか思ってたのに私自身がゴミを追加してしまう事になるとは・・・ほんとなんか申し訳無い気持ちでいっぱいになりました。
夜登山する人は持ち物管理を特に気を付けよう!!!
そして気付けば8合目元祖室(3,250m)まで到達。
時刻は2時15分です。
トモエ館(2,740m)から1時間50分程で500mを登って来ました。
軽く息を整えて出発。
9合目でご来光
黙々と登り続ける事、更に2時間。
渋滞に巻き込まれつつ、山頂まで後少しという所まで来ました。
段々と周囲が明るくなり始め、ふと後ろを振り返るとこんな感じに。
地平線?雲平線?がだいぶ明るくなっています。
いつ太陽が昇ってもおかしくないかな?と思い、頂上手前でしたがその辺で待機してご来光を待つ事に。時刻は4時11分。
まぁ結局ここから30分も待つ事になったんですが・・・とにかく寒い。風も強いので余計に寒い。
手袋を失った片手は寒すぎて感覚が無くなってました。
顔や首元から冷えるのを防ぐためにフードを深く被って風をシャットアウト。
寒さ対策で上着を重ね着するといっても荷物の量に限界があると思いますので、夜に登る場合はホッカイロ必須だと思いました。
そして迎えた4時41分。
いやぁー・・・
なんか思わず涙が出ちゃいますね。
ご来光をしっかり見る事ができてほんと良かったと思います。
山頂~お鉢巡り
ご来光を堪能したら後は登るだけ!
寒いし人が下からどんどん登ってくるのが見えるので、私も早い所出発します。
まぁ頂上ギリギリの所までは登ってきていたので、歩く事10分程で山頂手前にある鳥居が見えてきました。
さっきまでの暗さが嘘の様ですね。
日の出から数分しか経っていないのに、凄い勢いで辺りが明るくなっていました。
そして・・・
登頂です!!!
さて、余韻に浸りつつ休憩して一息付きたい所ですが・・・混みすぎててベンチに座る場所が無い。
近くの山小屋は満員。外には行列。
・・・うーん。
とりあえず目の前にあった神社で焼き印を捺してもらいます。
休憩できないなら仕方無し。
時間もそこまで無いのですぐにお鉢巡りに出発。
それにしても景色が素晴らしい。
雲ばっかりですが、これはこれで良い。
でも本当は富士五湖を上から見て見たかった・・・
さて、ここまで来たら本当の富士山最高峰、剣ヶ峰まで行かないと!
・・・と、思ったんですが、
ここも混んでる。
時間的にも体力的にも結構限界が来てたので、今回は断念。
ご来光待機で体を冷やしすぎたせいか、若干頭痛もし始めたので早めに1周することに。
お鉢巡りの平均所要時間は大体1時間と言われています。
私は30~40分程度でサクッと巡ろうと思っていたのですが、少し動くとすぐに息があがってしまい中々進めませんでした。酸素が少ない影響かな?
結局私も1周するのに1時間掛かってしまいました。
下山は特に書く事は無いかな・・・。
ひたすらジグザグ道を下って行くだけなのですが、コーナーに柵も何も無いのでスピードつけて駆け下りられないのが辛かったです。
そういえば砂埃がひどかったのを思い出した。下り用にマスク的なものがあった方が良いと思います。
感想
という事でご来光も無事見ることができ、山頂到達、お鉢巡りとやれる事は一通り出来たので、今回の初富士アタックは大成功と言って良いと思います。
降りた直後は「きつい!単調過ぎて飽きる!もう二度と行かない!」と思っていましたが、今では「来年も登るかー」と考えています。
辛いのは確かなんですが、その後の景色を思い出すともう一度登りたくなるんですよねぇ。
私の周りにも「日本一の山だし、人生で一度は登ってみたいと思う」という人は結構いました。ぜひ登ってみるべきだと思いますね。
「写真やテレビで見たことあるから十分」
って人もいると思いますが、
いや、全然違うから!!!
写真とかテレビの映像なんてあの山頂の素晴らしさの半分も伝えられて無いから!!!
って思います。ほんと。
風とか空気感とか自分の肌で感じながらだと、全然違う風景に見えます。
ちなみに、今回の登山でのガッカリポイントも幾つか挙げておきます。
【①人が多すぎ】
今回私はお盆休み前の7月の平日と、なるべく人が少ないだろうと思われる時期に行きましたが、それでも人が多いなぁと感じました。といっても恐らく人は少ない方だったと思いますけどね。
「富士山 混雑」で画像検索掛けてみると、混雑時の富士山の様子を見ることができます。行くなら8月のお盆、週末は絶対に避ける事をおすすめします。
【②星が見えない】
ヤマノススメ2期であった富士登山回で、天の川を見るシーンがありました。
これ、夜登山の楽しみの一つだったのですが、実際は真っ暗で何も見えず。

※下の明かりは山小屋&ヘッドライト。中央が丁度地平線で、薄らと赤みが差しています。
まぁそもそもこれはスマホカメラなので星を撮影するには光量何かが色々と足りてないんですが、肉眼で見てもほとんど何も見えて無かったですからね。。
山小屋の明かりが目に入らない程度に離れてヘッドライトも消し、周囲を真っ暗にした状態で暫く目を慣れさせて見てもあまり変わらず。僅かに星が光っているのは見えましたが、それでもシミみたいな天の川、満天の星空というのは見られませんでした。日によって違うんだろうか。
とまぁこの位かな。
①に関しては、来年もう少し時期を見直してみようと思います。
総評:富士山はいいぞ
追記:高山病について
高山病について少し追記します。
富士山と言えば「高山病が心配」という人も多いと思います。(私もそうでした)
結果的に言えば「多分、高山病にかかっていた」と思います。
断定できないので「多分」と書いていますが、頂上から下山するまで続いていた軽い頭痛や吐き気、お鉢巡りの時に体が異様に疲れやすく、頻繁に休憩を取らざるを得ない状態だった等々。思い返すと高山病らしい症状が出ていた気がします。
(当時はご来光待機の際に体が冷えすぎたせいかと思っていました)
ただ今回登る前から高山病対策には気を遣っており、以下の対策は実施していました。
■5合目で1時間程休憩し、体を慣らす
■呼吸を意識しながら登り、数十歩おきに深呼吸を行う
■山小屋で一泊
対策自体は問題無かったと思いますが、高山病にかかってしまった原因は『一泊した際にうまく眠れず、寝不足状態のまま深夜に登山を開始してしまった』という点ですかね。
「深夜(12時半)に登山を開始する必要があった」という部分が一番の失敗で、ここを掘り下げると
⇒下山後の観光スケジュールを詰めすぎていたため、早く降りる必要があった。
⇒スケジュールミス
⇒7合目に泊まったため、その分頂上までの距離が長くなってしまった。
⇒宿泊場所の選定ミス
と、色々な失敗が重なっていた事が分かります。
少なくとも本八合目あたりに泊まっていれば出発時間を2~3時間は遅らせる事ができましたし、午後に下山するスケジュールであればご来光を山小屋で見てから登れてましたからね。
この辺の考えは足りなかったかなぁと思いました。
ま、最初ですからね・・・
結論としては「十分に余裕を持ったスケジュールを組もう!」という事で。
来年はこの経験を活かしていこうと思います。
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